Magic Rose-紅い薔薇の少女-
体格からして男。
それ以外解るものはなかった。
まだ六歳、大人でも怖いと思うような状況が怖くない筈がなかった。
ローズの冷静さが大分戻ってきた頃に男はやっと口を開いた。
「己を守るのならアイラビアの外れの西の森の奥へ
大切な者を守るのなら
東に位置するベリアザ国、首都アイラビアへ
己の運命を変えるであろう」
東?西?しゅと?
この人は何を言ってるの?
わたしのうんめい?
あ!そうだ、たすけをよばなくちゃ!
ローズはハッとして空気をたくさん吸おうとした。
「まぁ、待て。」
え?
ローズは疑問を隠せなかった。
いや、確かに助けを呼ばれたら困るのだろうけど……と。
「叫ぶな。
俺は別に怪しい者じゃない」
見た目はすっごくあやしいですけどね。
ローズは心の中で静かにつっこみを入れた。