Magic Rose-紅い薔薇の少女-


それから二人と一匹、仲良く家に帰った。

その夜私はベッドに寝転び、考えていた。

今日は色々あったな、と。


市場に行って、
あぁ、とーっても楽しかったわ。
あんなに不思議な物を沢山見たのは初めて。

確かにおば様は魔法使いだから家で魔法を見るなんて日常茶飯事だけど
外の世界にはあんな面白いもので溢れかえっているのね。


そしてカルタスの復活。
様々な単語を言われ、私は理解出来なかった。
私は魔女じゃない。魔力なんてないから
そちらの世界を知らない。

――『“此処”にずっと居ることだよ』

おば様はそれでもいいと、言ってくれた。


窓から覗く空を見る。

「満月……」

星たちは月明かりに消され、よく見えない。
そんな空も嫌いじゃない。

「時間(とき)の狭間」



……私を呼ぶのは、ダレ?

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