Magic Rose-紅い薔薇の少女-


その夜ローズは一人考えていた。


わたしは、アイラビアに行かなくちゃいけないの?
この家を、出ていかなくちゃいけないの?
そういえば
『お母様を助けると思って、この話、受けてくれないかしら……?』
ってこぼしてたけど……。

それはいったいどういう意味だったのかな?


ふとローズは思い立ったかのようにベッドから飛び降りた。

いそいでブーツを履いて部屋の扉を開けた。
すると、下の階からランティスと、もう一人誰か、知らない別の声が聞こえた。

足音をなるべく立てないように、静かに階段を降り、話し声のする部屋へ向かった。

そしてその部屋の扉をほんの少しだけ開き、中の様子を伺った。


男の人がいる……。
お母さま、何かしんこくそうな顔してる……。
いったい何をはなしているの?


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