Magic Rose-紅い薔薇の少女-
いつからだろうか、私は不思議な声が聞こえていた。
私にだけ……。
アナタの名前は……?
――私の名前は……
私を呼んでいたのはアナタ?
――アナタを呼んでいたのは私?
「レディ!」
誰かに呼ばれて我にかえる。
此処は、私の部屋……。
私今……。
「シル、バー……?」
「何してたんだ!」
「誰かが、呼んでいるのよ。」
「相手にしてはいけない」
シルバー、貴方は何故そんなに必死になっているの?
「でも……」
「まだわからないのか!」
シルバーが、怒鳴る。
今までにないくらい、怒鳴る。
必死なんだ。何かに……。
でも私にそれはわからない。
そう、わからないの。
「そのまま相手を続けると、お前は身を完全に支配されるんだぞ!!」
知らないわよ、そんなこと……。
だって私、魔女じゃないもの。