Magic Rose-紅い薔薇の少女-


「……っ」

苦しい。

抱き締められてるからじゃない、
別の苦しさ。
これは何処から来ているの?

ああ、駄目……もう…………。


苦しすぎて……。


「……ちいさな ちいさな おんなのこ ころされたぁ」

「なっ」

「ちいさな あにも ころしちゃえっ」

私は何を言っているのかな?
自分でもわからない。
誰かが私の口を借りて言っているよう。

身体が言うことをきかない。

私の手は当たり前の様にシルバーの首へ……。
きゅっと力を入れたそのとき、

「きゃっ!」



撃たれた。

魔法で……。

壁に身体が当たり、痛い。

「姿を現せ!腰抜けが!!」

シルバーは、何を言ってるの?

此処には、私と、アナタしかいないのに。


意識が、遠退いて行く。

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