Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「フフフッ」
“カノジョ”は姿を現した。
カノジョは意識の無いその顔に触れようと手を伸ばす。
然し、掴まれた。
しっかりと。
「捕まえ……」
バッと目を開け、姿を確認する。
「た……」
私が、二人?
瓜二つ。
「ふふふ双子!?ど、ドッペルゲンガー!?
私し、死んじゃうの!?」
「黙りなさい。
双子じゃない、ドッペルゲンガー……まぁ近いものはあるがな」
声までもが、私そのもの。
違いと言えば着ているものくらいだもの。
「…………欲しい」
感情が無いような話し方をするんだね。
「アナタが欲しくてたまらない!!」
いきなりカノジョはそう叫んだ。
私が、欲しい?
同じじゃない、容姿も、声も、全て、一緒。
何がアナタに足りないって言うの?