Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「頂戴よ、
その、薔薇の様な……」
浮いてる。
カノジョは浮いてる。
どうやって……。
「美しさが欲しいのだよォォォ!!!」
バッと上から私に襲いかかってきた。
危ない!
本能的に危険を感じとり(見ればわかるけど)横に回避。
私に魔法が使えれば……!
「きゃ!」
カノジョはあろうことか床にダイブした。
言っちゃ悪けれど少々間抜けね……。
「私が欲しいのなら……ううん、美しさならアナタにもあるじゃない!?」
私の精一杯の抵抗がコレ。
ああ、魔力が欲しい。
「アナタは私に無いモノを持っているのだ。
ああ、当たり前すぎて気づかないか……」
私は無力だ。
女の子一人に立ち向かう強さ一つない。
私はなんて、なんて役立たずなの……。