Magic Rose-紅い薔薇の少女-


「アナタがやった。
チいさな、ちいサな、おんナのコ。
コロしたのモ、アナタ……だっテ」

遂にカノジョは私の首を絞める手に力を入れた。

「アナタはワタシ、だから……」

ギリッと音がしそうな程、カノジョは締め付けてきた。

「……散れ」

それは、酷く冷静な声だった。

本能のままに、私は言った。

「え……?」

カノジョの身体がフワリと浮き上がって行く。
自然にカノジョの手の力も弱まる。

「ウそ……」

刹那、ブワッと薔薇の花弁がカノジョにまとわりつく。

真っ赤な、綺麗な花弁だった。


――ナゼ、コンナニ悲シイノダ?


  ワタシハ、ウマレタ……無ノ世界ニ。

  ナニモナイ、真ッ暗デ空ッポノ世界。

  ココロ、カンジョウ、生キルイミ、
  何モナイ……。

  ツマラナイ、サミシイ
  ソレスラモ無イワタシノ瞳ニ映ル
  幸セソウナ人達。

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