Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「だから言ってるだろう?
娘との引き換えに借金はチャラだと。
おまけに生活も保証される。お前は解放されるんだ。
悪いことはないじゃないか」
その男はランティスを見下すように言葉を放ち、足をテーブルにドスッと置いた。
ランティスはそれを見て一瞬、嫌な顔をしたがそれを悟られないようにすぐに取り繕った。
しゃっきん?かいほう?
わたしと……引きかえ?
「……はい。わかっております」
お母さま、何を言って……
それに、いつしゃっきんを……?
男は笑った。
下品な笑い方だと、ローズは思った。
「それにしてもお前は酷い母親だなぁ。
大切な、可愛い可愛い娘を、自分の為だけに
売るとはな!」
ローズは目の前が真っ暗になっていくような感覚に襲われた。