Magic Rose-紅い薔薇の少女-


「アナタは消滅してしまった方がいいのよ」

何も考えなくていい。
存在する意味がなければ……私がこの手で……

私が手を動かせば花弁もそれに従う。


「もう、無の世界なんて行かなくていいように……」

カノジョにまとわりつき、舞っていた花弁達は徐々に消えていった。

終わりを告げる、その合図。

「私とアナタ、もとは一つ……だから」

私はカノジョに手を差し出した。
ニッコリとなるべく優しく笑いかける。

「帰っておいで?」

存在理由なんて、私がこの手でつくってあげる。

「何故そ、レを……?」

目を見開くカノジョ。
でも最終的にカノジョは私の手を握った。

「もう、寂しくないよ」

カノジョは私の胸に飛び込んできた。
私はカノジョの背中に腕を回す。

すると、カノジョはだんだん消えていった。

これが消滅なのね……。

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