Magic Rose-紅い薔薇の少女-


――ありがとう、ローズ。

消滅だけど消滅じゃない。

「ローズと呼ばれたのは九年ぶりね」

空間が私の部屋へと姿を変えて行く。


完全に戻った頃、私は地面に足を着いた。



私を呼んだのは、アナタ。
そう、名前は
“ローリエ”


彼女は私の中で、生き続ける。

もう一人の私
貴女の存在理由は私。

「レディ!」

「おば様」

おば様の後ろからシャルディが飛び出してきた。

「シャルディ」

「血!?」

「私のじゃないわ、彼女の血よ。
消えてしまった、ううん消してしまった」

涙をが溢れる。最近私は泣いてばかりね

「これからこれ以上に辛い事、悲しい事が待ち受けている。
何か失っても自分だけは失うな」

と。
前にシャルディにも似たような事言われたわね。


その日……
ぽっかりと空いていた穴が埋まった気がした。
まるで欠けていたピースがはまったみたいに……。

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