Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「あ、れ?此処、は……」
目の前には見覚えの無い光景が広がっていた。
どうして風が吹いているのかしら……?
嗚呼、それは、外だからね。
……って
「何で外!?家は!?私の部屋は二階の筈よ!?
玄関でもなかったわ!!」
恐る恐る後ろを振り返ってみると、
そこには不自然にドアが一枚だけ立っていた。
明らかに怪しすぎるわね、コレは。
いや、私の部屋の一部なのだけれどね。
おば様はこんな手段に出るほど私の手伝いが嫌だったね、しくしく。
この際、仕方ないわね。
開き直るしかないわ。
パサリと結っていた髪をほどいた。
「丁度良いわ、お散歩でもしましょう」
鼻歌を歌いながら私は奥へ奥へと進んでいった。
「あ……」