Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「貴女は?」
「あ、私はレディです……」
「私はこの泉の主、スイと申します」
――スイ、会ったことはないのに、凄く、懐かしく感じた。
んー、わからないわ。
「レディ?」
私が悩んでるのがどうやら顔に表れていたみたいで、スイが心配そうに名前を呼んだ。
「ねぇ、私達、何処かで会ったことないかしら?」
躊躇しながら問うと、困ったような顔で笑った。
何故、そんな寂しそうな顔をしたの?
「さぁ?どうでしょうか……」
私はスイに促され、泉の近くに一緒に腰掛け、他愛ない話をした。
私はなにも知らない。
知っても、なにもならない……。
でも私は何処かで貴方と……きっと……
会ったことがあるわ。
私の直感だけれどね。
「あっ帰らなくちゃ……」
あんまり遅いと心配させてしまうわ。