Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「ないわ……」
お父様から貰った大切なモノだったのに……。
こんなことならあの時持っておくべきだったわ……。
「ネックレスならもうないわよ」
「お母……様」
「あの日、持っていかれてしまったわ。
“コレで勘弁してやるよ”って」
「そんな……」
無駄足だった……。
おば様、ごめんなさい……。
「ローズ、私はあの六年間……」
ぎゅうっと抱き締めてきた。
暖かい、でも、震えてる……。
「幸せすぎて怖かった。
知らない方がよかったのよ……
なぜ私はあの日、貴女を……
預かったのか……」
預……?
「ごめんなさいローズ……
貴女は私の実の娘じゃない……」
涙が出てきた。
私に、母はいないの?