Magic Rose-紅い薔薇の少女-


「貴女は、ローズ・フェイバリーじゃない……」

嫌だ。
嫌だ。

止めて……それ以上は止めて……。

「いやっ、聞きたくないわ!私は、私はローズ・フェイバリーよ!!」

「聞きなさい!」

吃驚した。
こんな風に怒鳴られるなんて……。

お母様だって、辛いはずなのに……。

「貴女はね、ローズ・ヘルシオンなの」

ヘル……シオン?

私は、おば様の……?

「サラちゃんが殺され、貴女の命まで危うくなったの。
だからまだ幼い貴女を、お義姉様は弟夫婦に預けたの」

弟……?

「じゃあまさか……」

「貴女の考えてる通りだと思うわ。
私達夫婦に子供は無かった。だから好都合だったのよね……。
さぁ、お行き……」

「ありがとう!」

私は家に帰るべく走り出した。

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