Magic Rose-紅い薔薇の少女-
……え?サ、ラ……。
アレから数年経ったような顔立ち。
でも10年も歳を取ってないような……。
私の気のせい?
『大変だわ!』
鉄格子のはめられた窓から外を見ていたサラはくるりと踵を返し、
部屋――まるで牢獄のような部屋の壁際――いつもの場所に座り込んだ。
何をしているのかしら?
何か、凄く悲しそう……。
その時、こちらも又、扉の小窓に鉄格子がはまっている、木造(きづくり)だ。
そしてゆっくりと扉は開かれた。
「!?」
ゆらゆらとシルエットはサラに近づく。
「きゃあぁぁぁ!!」
私の視界、頭の中の映像の視界は真っ暗になり、サラの悲鳴だけが響いた。
「サラ!」
バッを目を開け焦る。
一瞬、物凄くゾッとした。
何か、怖かった。