Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「た、助けなきゃ……早く!」
怯み、ふらつく足に鞭を打った。
宛があるわけじゃない。
だけど進まなくちゃ……
始まらないわ!!
私の決意と共鳴するかのように薄暗かった部屋?にカッと光が差した。
眩しいっ!!
――貴女が一歩を踏み出せば、運命は変わる……
この声は……何処から?
――私は扉の案内人、
さぁ怖がらないで、
恐怖に打ち勝ち、そして前を向いて
……さぁ
駆け出せ!!
それが合図になり、目の前に真っ白の綺麗な造りの扉が現れた。
きっとあの声はこの扉のってことよね。
「行くのよ、ね……?」
私はゴソゴソとおば様もとい、お母様から貰った髪飾りを取り出した。
そしてそれを付ける。
もう、一人じゃない。
そんな気がしたの。
歴代のヘルシオン達が一緒にいるような……。