Magic Rose-紅い薔薇の少女-
カチャリと扉を開くと光が漏れだしてくる。
心を決め、一気に開く。
……目の前には、壁?
レンガ造りの可愛らしい壁が立ちはだかっていた。
高さは私より少し高いくらい。
少しよじ登り、向こう側の様子を窺ってみた。
「街、だわ」
それも色々な種族が沢山いる。
……不思議ねぇ。
トンっと降り、洋服をはらう。
そこで私は初めて見られてることに気がついた。
じぃーーーーっと穴が開きそうな位見ている。
小さい男の子……。
五歳位かしら?
男の子は初めて話しかけた。
「おねいちゃんは、まほーつかい?」
「そうよー。あ、おね“え”ちゃんね」
あまりの可愛さに満面の笑みで答える。
「君、名前は何ていうの?」
「みんなボクを“フィル”ってよぶんだ」