Magic Rose-紅い薔薇の少女-
「ハァハァ……」
流石、男の子だわ、元気ね……。
森の入口まで来ると、フィルが足を止めた。
「おねいちゃん、よりみちしていーい?」
また、きゅんっ!!
可愛いすぎるわよ、フィル。
「勿論よ!」
「わぁい」
フィルは今度はちゃんとゆっくり歩いてくれて、着いた先は広場になっていた。
「素敵……」
色とりどりの花。
フィルはさそくさと移動すると花を摘み始めた。
私はそれを見ながら腰を掛けた。
穏やかな時間が過ぎて行く。
暫くするとフィルはこちらに戻ってきた。
「いこう!」
小さな可愛らしい花束を持ったフィルに案内されてまた進んだ。
「このおくだよ」
指を指して私に教えるとタタタッと小さな家へ駆け出した。