Magic Rose-紅い薔薇の少女-


「ハァハァ……」

流石、男の子だわ、元気ね……。

森の入口まで来ると、フィルが足を止めた。

「おねいちゃん、よりみちしていーい?」

また、きゅんっ!!
可愛いすぎるわよ、フィル。

「勿論よ!」

「わぁい」

フィルは今度はちゃんとゆっくり歩いてくれて、着いた先は広場になっていた。

「素敵……」

色とりどりの花。
フィルはさそくさと移動すると花を摘み始めた。

私はそれを見ながら腰を掛けた。


穏やかな時間が過ぎて行く。


暫くするとフィルはこちらに戻ってきた。

「いこう!」

小さな可愛らしい花束を持ったフィルに案内されてまた進んだ。

「このおくだよ」

指を指して私に教えるとタタタッと小さな家へ駆け出した。

< 99 / 258 >

この作品をシェア

pagetop