☆初恋☆


「い、いいの?」

「お、おぉ」

嬉し…。

嬉しすぎる。

「ありがと、涼ちゃん」

「別に。なんでもって言っちゃったしな」

ふふふ…。

素直じゃないなぁ。

「寝て欲しいなら、奥に詰めろ」

「言われなくても、詰めるもん」

そっと奥に詰めた。

ふわっと布団を上げて、入ってきた。

そして、私の方に布団を掛けてくれた。

私はそれだけで良かった。

けど…涼ちゃん、サービスしすぎだよ。

まだ少し震えてる私を、優しく包み込んでくれた。

「大丈夫。俺がついてる」

って…。

手も、握っていてくれた。

試しにそっと、涼ちゃんにくっついてみた。

それを涼ちゃんは、しっかり受け止めてくれた。

嬉しいよ、涼ちゃん。

ありがとう。

ありがと、涼ちゃん。

「お前は、何回泣くんだよ。大丈夫だぞ?もう怖い目には合わせねぇから」

違うよ、涼ちゃん。



< 16 / 39 >

この作品をシェア

pagetop