☆初恋☆
「大丈夫よ。萌ちゃんなら、大歓迎だもの。あの道を、1人で帰す方が心配よ。うちの涼介が、命掛けて守るわ。安心して、行ってきて」
「うん。ホントにごめんなさいね。それじゃ、またね」
『行ってらっしゃい』
みんなの声と共に、お母さんはいなくなった。
これが、お母さんを見た、最後だった。
でも、まだ私は気づいてなかった。
家族の崩壊にすら…。
「それじゃ、母さん。行ってくる」
「優子さん、行ってきます」
「2人とも、気をつけてね。行ってらっしゃい」
言われた通り、私たちは2人で学校に向かった。
最初は、みんなに色々言われるのが嫌だって思った。
だけど、涼ちゃんの事が好きだし。
勘違いされても、別にいっかって思い直した。
守ってもらうためだし。
涼ちゃんがいないと、怖くて外にすらでれないもん。
「手でも、つなぐか?」
はっ!?