恋花-Romeoと私の花-
プロローグ
「花恋、また会おうな?」
「そのときは、思い出してね」
小さい頃、ある夏のお祭で迷子になった私を助けてくれた2人の男の子。
名前を教えたのは私だけ。
私は訊くヒマなんて無いくらい、泣いていた。
「ふぇんっ・・・・う゛っ・・・ひっく・・・おっ、おかぁさぁんっっ」
ボロボロと涙を零す私を、優しく撫でて「大丈夫だよ?俺らが探してあげる!」と言ってくれた、2人の男の子がいた。
「ほ・・・んと??」
その言葉を聞いた私は、ビックリするほど早く涙が止まった。
多分、私はあのときの男の子のこと・・・・
「うん!ホントだよ?名前、教えて?」
「如月・・・花恋」
あの優しさに・・・・
「じゃぁ、探そうか?」
惚れちゃったんだ・・・・・・。
「うん!」
そのあと、無事にお母さんは見つかり、私が走り寄ろうとした私の腕を掴んで、その男の子たちは言った。
「花恋、また会おうな?」
「そのときは、思い出してね」
あの頃はなにを言われたかは分からなかったけど・・・・。
あのときの言葉、声、今でも覚えてる。
顔はちょっと曖昧だけど、ちゃんと覚えてる。
だって・・・・・―――――
私の初恋の相手だったから・・・・・――――――。