恋花-Romeoと私の花-
悪戯っぽく笑う直輝は、小悪魔のように恐ろしい。

おっ、お仕置き・・・・?って、ゆうか!か、顔近いよぉッ!!

グッと、引き寄せられた顔は凄く近い。

私の心臓・・・・・もたないよ・・・・っ。

「う、うんっ」

小さい声でそう呟いて、頷いた。

「よくできました」

直輝はそう耳元で囁いて、ぽっぺにちゅっとリップ音を立ててキスをした。

・・・・・・ん?きき、きっ、キス!?

「ちょっ!!!」
「はいは~い。早く学校行かないと、遅刻だぞ~」

私を急かすように、直輝は下に行くエレベーターのボタンを押した。

「直輝、そんなにイジメたら可哀想だよ?」

楓が、直輝の隣に歩み寄ってエレベーターを待つ。

「これくらい、刺激がないと女の子は育たないよ」

平然と言う直輝に、唖然と見つめるだけの私。

「じゃぁ、直輝がそうゆうのやっていいなら・・・・俺もいいよね?」

「・・・・・やりたいなら、いいけど?」

・・・・・・は?

なにそれ?それって、私をイジメていいかダメかって話し??
普通、私の許可が最優先じゃない?って、私、直輝に許可だしてませんけど!!

「なっ、何よ!?それ!私は絶対イヤだから!!」

勢い良く怒鳴った私に、直輝と楓は妖しく笑った。

「俺達、花恋のおばさんに頼まれたことがあってね・・・・それを果たさないと、俺達は大分、大変なことになっちゃうんだよな~」

私を見つめる、直輝の真っすぐな瞳は私をあざ笑うかのように笑う。

「その、頼まれたことっていうのが・・・・・・・」

くすみの無い透き通るような楓の瞳の楓は、私を見透かすように見つめる。

「花恋に恋を教えること」











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