恋花-Romeoと私の花-
時計を見た直輝は、濁った声を出した途端に私を、背中にヒョイっと持ち上げた。

「ちょっ!な!え!?なっ、何するの!!?」

「走るっつてんだろ!ヤバいんだよ!この時間は!」

またも、軽々しく直輝に持ち上げられ、背中にぴったりとくっつき、直輝の首にしがみつく形になった。

「え?どういう意味??この時間?ヤバイ?」

遅刻しないよね・・・・?こんな早くに家出たんだから・・・。
じゃぁ・・・何?

「説明は後でゆっくりと話してやるよ! 行くぞ!楓!」

「あいよ!!」

キュッと楓はシューズの靴紐を結んだのを確認して、直輝は走り出した。


ひっ、ひぇぇぇぇぇえぇっっ!!!

2回味わっても慣れないこの感覚。
おんぶされて、走られるなんてことは一生慣れないであろう。







―――キーンコーンカーンコーン―――

「はぁはぁ・・・・の、乗りきったぁ!!」

散々遠回りして、やっと学校に着いたのは遅刻ギリギリだった。

「だっ、大丈夫・・・?」

はぁはぁと息を切らせる2人は「いつものことだからな」と言って立ち上がった。

ほぼ、それと同時だった。



「「「キャァ――――ッッ!!!Romeo様―――ッッ!!!」」」


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