恋花-Romeoと私の花-
キンキンと耳に響く声で、女の子たちが校門から出てきた。
その、女の子達の集団は一気に直輝と楓を包み込みんで、私は楓と直輝から引き離された。
「直輝様ぁ~、何でこんなに来るの遅かったんですかぁ??」
「待ちくたびれちゃいましたよぉっ」
「楓様ぁ、今日も決まってますねぇっ!カッコイイですぅっ」
いつもより高いであろう、女の子達の甘ったれた声が直輝と楓を包む。
その女の子達の迫力に呆然としてしまう。
むしずが走るような声。
甘~い香水の強烈なにおい。
正直言って、遊びなれてるような子たちばっかりだ。
「あ~・・・ゴメンゴメン。今日はそんなに暇じゃないんだ」
いきなり、直輝が女の子達の集団をかき分けて出てきた。
「そうそう。俺達、この子の仮の彼氏だから」
そう言って、楓と直輝は私の左右に立ち、肩を抱いた。
その途端・・・・
「「「きっ、キャァー!!」」」
女の子たちから、悲鳴のような声が飛び交った。
チュッと言うリップ音が私の両頬から出た。
何が・・・・起こったの・・・?
まだ感覚の残る両頬を触って、顔が赤くなるのが分かった。
私、直輝と楓に・・・キスされた・・・。
ほっぺにキスされた!!!
「ま、こういうことだから」
直輝が、私の腕を引っ張って言う。
「バイバ~イ」
いつものように、キャピキャピとした楓がそう言って泣き崩れる女の子達に手を振った。
私は、何が起こったかさえわからないまま校門へとゆっくり踏み入れた。