恋花-Romeoと私の花-
「ふは・・・・っ」
・・・・・え??
いきなり、校長室にあるフカフカのソファーに座っていた、楓がふきだして倒れこんだ。
「な・・・に??」
完璧、私の方を見て笑った楓に首を傾げる。
「いやっ、ホントに、わかんない。って顔してるからさぁっ!笑っちゃった」
今だお腹を抱えて笑う楓に、ぷぅっと頬を膨らませて睨みつけた。
そんな私に気づいたのか、楓は笑うのを辞めて体制を整えた。
「まぁ、いいからさ、隣に座んない?」
ずっと、校長室に入ってから立ったままの私を見て、楓の隣をぽんぽん叩いて手招きをした。
そういえば、足も疲れてきたし・・・・座ろっかな・・・・・。
「うん。座る」
そう言って、楓のところまで歩み寄って座ろうとした、ときだった。
――――グイッ
「キャッ」
いきなり、腕を引っ張られて後ろへ倒た。
そうすると、ソファーの感覚ではなく、キュッと引き締まった楓の足に倒れこんだ。
そんな私は、お姫様抱っこ状態。
楓と向き合うように、顔を向けられて、パチッと楓と目が合う。
「ちょっ!何・・・するの?」
恥ずかしさのあまりに、語尾かどんどん小さくなっていく。
「いや、花恋ってやっぱり鈍いなぁって思って」
にっ、鈍い!?
「鈍いって!!そんな、言い方はないでしょ!?」
「あ~、ゴメンゴメン・・・いやね、他の男にもこんなに、可愛い顔見せるのかなぁって思ってさ」
「かっ、可愛い!?」
ハイトーンで、でも、どこか低い楓の声にドキッとしてしまう。
「顔、真っ赤ぁ・・・・」
またしても、私の顔を見て笑う楓。
はっ・・・・恥ずかしいよォ・・・・。
「おい。いいかげんにしとけよ?それに、楓!あんまベタベタ触んな」
声のするほうを見ると、凄くご機嫌斜めな直輝の顔。
その、後ろで園子さんが笑いを堪えている。
「なんで?直輝に指図されるっていうの、ちょっと、立場的に嫌なんだけど?」
いつもとは違う楓の口調。
声のトーンは全然変わってない。でも、口調は直輝を挑発するような口調。