恋花-Romeoと私の花-
「いいじゃない。楓くん!直輝くんは自分にも鈍感なんだから」
変なことを言うその子さんに、私は首を傾げる。
「ま、しょうがないか。直輝のことだし」
「お前ら・・・・俺に喧嘩売ってんのか?」
今にも、楓に殴りかかりそうな勢いの直輝の顔。
そんな、直輝にニコッと笑って楓は余裕の表情。
それを、下で見つめる私。
・・・・なんか・・・・・ヤバいんじゃない?
この状況は・・・・。
園子さんは、ワクワクして直輝と楓を見てるだけだし・・・。
こっ、ここは私が止めなきゃ!
だよね?
「あっ、あの!」
私の楓の膝の上で叫んだ、精一杯の声にいっせいに注目を集めた。
「喧嘩は・・・ダメ・・・だよ?」
渾身の上目と甘い声を出して楓と直輝を見つめた。
すると、みるみるうちに赤くなる直輝と楓。
もっ、もしかして!!
効いた!?
「ヤバッ・・・・」
直輝が天井を見つめて手で顔を隠した。
「もう!かわいすぎ!もう、これ俺のぉっ!!」
そんな、意味の分からないことを言って私を、ぎゅゅゅぅっと抱きしめる楓。
「あっ!ちょっ!おまっ!!離せよっ」
慌てて楓の腕を掴み、直輝が思いっきり引っ張る。
それとは、裏腹にどんどん楓の腕の力が強くなる。
くっ・・・・苦しい・・・。
「あらあら・・・・花恋も大変ねぇ・・・。こんな、分かりやすい子たちがそばにいて」
呆れ気味の園子さんの声。
分かりやすい?
楓と直輝が?
私・・・全然わかんないよ・・・・?