恋花-Romeoと私の花-
「まぁ、いいわ。早く教室に行きなさい。担任には私から言っとくわ。」
そうすると、直輝は、ハッとして園子さんに目を向けた。
「どうしたらいいんだよ?仮の彼氏でいいのかよ?」
「そうねぇ~・・・・・。いいんじゃない?面倒じゃない!でも、花恋を守るのは直輝くんと楓くんよ?わかった?」
いつもより穏やかに話す園子さん。
でも、言ってることが分からない。
私を守る?
直輝と楓が?
なんで??
なにから??
「わかってるって!俺達にまかせておいて!!!!」
楓の自信満々の声。
「お前はいいから、花恋を降ろせ」
殺気を感じる、低くて、深い、底の無い深い声がした。
「ちぇっ、直輝のケチっ」
そう言って、やっと楓から開放してもらえた。
ふぅっ・・・死んじゃうかと思った・・・・。
「じゃぁ園子さん、俺ら行くからさ、裏は任せたぜ?」
私の腕を掴み、校長室のドアを開けて園子さんに言う直輝。
「分かってるわよ!」
ふんっと胸を張って見せた園子さんに、直輝は微笑を溢して私達は校長室を後にした。