恋花-Romeoと私の花-
―――ザワッ―――
一気に男子が話し始めた。
話してることは分からないけど、異様なまでに、私をチラ見して、ニヤけている。
・・・・私、そんなに変な顔してるかなぁ?
可愛くはないけど、標準だと思ってたのに・・・。
一方、女子のほうは私を睨みつけてコソコソ話している。
あぁ・・・そっか。
私、直輝たちと登校しちゃったもんなぁ・・・・・。
しかも、楓があんなこと言うから・・・・・・。
「如月 花恋さんよ。仲良くしましょうね」
お決まりの言葉を述べると、私へと自己紹介をするようにと合図する。
「初めまして。如月 花恋です。あのっ、よっ、よろしくお願いします!!」
精一杯の言葉。
そのあとに、すぐ、クラスの男子が立ち上がって言った。
「彼氏いますかー??」
どっと一気に笑いが巻き起こる。
なっ、何!?この人!
小学生じゃないんだから!!
「かっ、彼氏・・・ですか?・・・・えっと・・・・」
言えずにモジモジしていると、また、あの男子からの攻撃。
「あっ!その反応はいないの~??じゃぁ、俺、立候補しちゃおっかな~」
こ・・・この人!凄く空気読めてない!!
どうしよう・・・先生はなんか、言い出せずにいるし・・・・どうしよう・・・!!
そうすると、バンッと言う大きな音に皆がそのほうを見た。
爆弾発言をした、男の子もそのほうを見る。
「お前、いい加減にしろよ?殺されてーのか?」
その音は、窓際の席の直輝が勢い良く立って倒した椅子の音だった。
どすの利いた低い声には何本もの針がある声。
身震いが止まらなくなるような直輝の声に、みんな固まった。
「あのっ・・・そのっ・・・すっ・・・・・・すみませんでした!!」
さっきまで固まってた、爆弾発言をした人は勢い良く着席した。
「次やったらタダでは済まねぇよ」
ゆっくりと座る直輝は、はぁっと一息ついて外を見た。