恋花-Romeoと私の花-
「あの・・・・Romeoって何なんですか?」
「あっ、Romeo知らんのか?そうか、そうか!なら教えたるわ! Romeoっつっーのは、この学園で毎年行われる、学園祭で投票で決められるカッコイイって言われてるやつのことや。で、こいつら二人がその今年のRomeoになるだろうってことで、入学早々、Romeo呼ばわりってわけなんや」
そっかぁ~・・・・。
でも、なんで・・・・まだ、行われてないのに・・・・。
「颯(そう)、お前もそれなりにカッコイイよ!僕ほどじゃないけど!」
「ハハハッ!ありがとな!お前に言われたって嬉しくもなんともないわ!!」
確かに、かわいい顔はしてる。
切れ長でも、二重の目の上に流すように垂らされている前髪。
長い睫毛。
かわいい顔のお手本だ。
・・・・・それにしても、颯っていう名前なんだ・・・・。
「あっ、俺、自己紹介しとらんかったな。俺、神崎 颯(かんざき そう)や!颯って呼んでや!!よろしくな!」
握手を求めてきた颯に少し戸惑いながら手を握った。
「あっ・・・よ、よろしくおねがいします!」
「・・・・あっ、そや!直輝!楓!今日は早退したほうがええよ」
いきなり、颯が顔をしかめた。
「なんでだよ」
それにつられるように、直輝も顔をしかめた。
「だ~か~ら~っっ!!女子があかんねんって!暴れだす勢いなんやて!!」
そうすると、直輝と楓は顔から血の気が引いていくのが分かるように、顔が真っ青になっていく。
「ヤバいなぁ・・・」
直輝が呟く。
「ヤバいなんていうもんじゃないよ。僕・・・・今日が最後の一日になるのなんて嫌だよ!」
楓が泣き出しそうな顔で直輝の腕を掴んだ。
「かっ、帰ろう!今すぐ!花恋!!行くぞ!!」
直輝が慌てたように言う。
「はっ!ハイッ!!」
「颯!お前も来い!面倒なことになるっ!!」
「わかっとるわ!ここはいかんと俺も殺されんねん!!」
直輝が言ったことに颯はあざやかに関西弁で返した。
それから、私たちはダッシュで家に帰った。