恋花-Romeoと私の花-
「ねぇ、花恋、今日の夜ご飯さ、直輝が作るから一緒に食べよ?」

もう、真っ暗になった夜道を俺らはマンションに向かって歩いていた。

「なに?夜ご飯」

ちょっと、ご機嫌斜めな花恋。

「じゃぁ、オムライスとかどう?直輝のオムライス美味しいんだよ~♪」

ったく、楓は余計なこと言いすぎだっつーの。

「たっ、食べる!!」

明るくなった花恋の声。
コイツ、ものに釣られるタイプかよ。

「よし!じゃぁ、今日はオムライスだ!!直輝、ヨロシクッ」

「ヨロシク!!」

二人のその声に、しょうがないかと心の中で呟いた。
多分、これからもこの調子で作らされるとなるとうんざりする。

「材料あんのかよ?楓」

「え?あっ、ホントに作ってくれるんだ?」

「まぁな。で?あるのかよ?」

「うん。確か材料はあるはず!」

「わかった」

後ろで「やったー!」と言って、ハイタッチをしている二人が騒いでいる。

少し・・・・・・静かに騒いでくれると嬉しいんだけどな。

いいけどな。これ、見てるの結構好きかもしんないしな。

自然と頬が上がる。
















これから、俺達の青春が幕を開ける準備を・・・・・・・していたからなのかもしれない。


この頃は、アイツといたって何も思わなかったのに・・・今はアイツが何よりも大事なんだ。

青春の始まりを告げる・・・鐘の音が今、聞こえたような気がした瞬間だった。








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