宇宙マン episode:1
「今日の任務の影響さ」

「なるほど、何か食える系の仕事なんだな?」

オレが尋ねると、うむ、とうなずく宇宙マン。

相変わらず醜い。
うなずくたびに
二重あごがトランポリンのように揺れているではないか。


宇宙マンはオレの部屋を見渡すと、
怪訝そうな顔つきになり、


「…マサトくんとマナちゃんは?」


予想通りの質問を投げかけた。

「あいつらは来ねーよ」

「何故だい」

低い声が部屋に響く。
宇宙マンは華麗なバリトン・ボイスの持ち主だ。

声だけは無駄に艶やかなのが、余計に腹立つ。
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