宇宙マン episode:1
何だか色々と考えている間に、時間は着実に経過していたようだ。


…みんなが、オレを見ている。


メンバーは懇願するように。
そして、それ以外のクラスのヤツらは、何だか面白そうに。


ヤバい、多分演奏終わったんだ。
どうしよう。


叩くべきか?
でも、どのタイミングで??


今さら感半端ねえし。
いっそ、ウッドブロックカットバージョンってことに…
なんねーよなあ……。



「カズキーっ、ウッドブロック!!」


どこからかマナの声。


オレは反射的に、ウッドブロックをカンカンと鳴らした。


しかし指が震え、二回でいいものを、
余分に一回叩いてしまった。

カン…カカン!


そんな音が、静かな教室に無残に響いた。
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