恋愛ゲーム
「久々にドライブに行くか?」
いつものノリで話す圭人。
でも、私を気遣っているのが分かる。
「本当は分かってるんでしょ?
笑いたければ笑えば?」
私は車のダッシュボードからタバコを取り出し火を着け、窓を開けて煙を吐く。
「笑えない」
圭人はハンドルを握って
前を向いたままで答える。
「そんなの嘘!
本当は“バカな奴、ざまを見ろ”って思ってるんでしょ?」
「思わない。思えないよ…」
「何で!!」
「俺は紗英を知ってるから…」
圭人は続けて話す。
「紗英だって本当は“男がみんなあいつみたいな奴じゃない”って分かってるんだろ?」
「違う…
みんな同じよ!!
絶対に許さない。
男に復讐してやるんだから!!」
“私のことなら何でも知ってる。
分かってる”
そんな圭人の言動にも腹が立って
私は声を荒げる。
あぁ〜
今日のタバコは全然おいしくない
私は少しだけ口をつけたタバコを灰皿に置いた。