恋愛ゲーム


「もういいだろ?
確かに中にはそんな奴もいるかも知れない。
でも、ちゃんと紗英を見てる奴もいる」


私を諭すように話す圭人。


「そんな男いない!!
そもそも恋愛なんて所詮ゲーム。
男なんてただの駒。
それ以上でもそれ以下でもない」



「いい加減にしろ!!
そう思ってるなら何でそんなに傷つく?」



冷静だった圭人が初めて声を荒げた。


一瞬、そんな圭人に怯んだが

「知ったように言わないで。
私は駒を相手に傷ついたりなんかしない!!」


と言い放った。



ふと灰皿に目をやると、
私が火を消さないままに置いたタバコは短くなり煙も微かになっていた。
< 147 / 150 >

この作品をシェア

pagetop