恋愛ゲーム
「またやったのか?」
圭人はハンドルを握り前を向いたままで私に尋ねた。
“ また ”ってなによ!!
「悪い?」
「今年に入って何人目だ?」
いちいち駒を数える程、私は暇じゃない。
まぁ、足の指も使えば足りるんじゃない?
「さぁ?興味ない」
「いい加減にしないと…」
「はいはい。圭人の説教は聞き飽きた。
心配しなくても圭人はゲームの対象にしないから」
「そう言う事じゃなくてさ」
あ〜もう圭人のクセに生意気。
私に説教なんて百万年早い!!
「くどい!!
だったらあの男は…」
私は声を荒げ、思わず言いそうになった言葉を止めた。
「まだ、あいつの事引きずっているのか?」
圭人が私を見た。
「さぁ何のこと?」
私はイライラしながら何でもない風にして
再び窓の外を眺めた。