かみひこうきに願う


「今お母さんは?」

「母親は中学の入学式の翌日に死んだんだ。」


「あ…」

聞いちゃいけなかったのかな?

「ごめんなさい……。」


「いやいいんだ俺が勝手に話してるだけだから、ごめんねこんな話して…。」


「ううん。全然大丈夫だよ。」

「俺は母親に何もしてあげられなかったな…。」


「そんなことないよ。入学式の晴れ姿みただけでもきっとお母さん喜んでると思うよ。」

「そっかぁ、話したらスッキリしたよ。そろそろ行こうか。」


「もう1つの思い出は?」

そうすると彼は、笑顔でこういった。


「それはまた今度話すね。それまでまってて。」


私はそのままこの日はこれ以上聞けず2人で帰っていった。
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