使い捨て親友童話
あなたも「羽賀さんだから言えるんだけどね」と、
本当は茂木凜が嫌いではないがつまらないことの秘密を打ち明けました。
あなたが頑張って話しても茂木凜の相槌はワンパターンで間が持たなくて辛いと困ってみせれば、
羽賀未来は「仁花ちゃん偉いね」と、慰めてくれました。
とても優しい反応に、あなたはますます羽賀未来と友達になりたいと焦がれました。
不満ではなく悩みを伝えることで、あなたは少し心が晴れたようです。
良かったですね、羽賀未来もあなたも共通の悩みを持っていたことで、心の距離がグっと近づいたのですから。
やっぱり価値観の一致って大切ですよね。
あら、くだらないですか?
いえいえ、そうやってピュアなハートを否定しては少女にはなれませんよ。
あなたは寺岡仁花、十三歳、中学二年生、ただの思春期可愛い女の子なだけです。
ですから、決して友情の意味を履き違えた痛い奴はありません。