使い捨て親友童話
中学生からでしょうか。
友達になぜ女友達、男友達と呼びかえ、区別するのでしょうね?
小学生の頃はわざわざ男子だ女子だと言わなかったのに謎ですね。
さて、あなたと茂木凜が立入禁止のベランダでお喋りをしていた時です。
「仁花ちゃん、クシ持ってる?」
(一部保守派を除く)女子からも男子からも人気があるギャル姫に声をかけられました。
庶民のあなたはおとぎの国のお姫様の可愛さに少し緊張しつつも慌ててポッケを探ります。
「あるよ! ……あれ、」
スカートやブラウスのポッケにクシが見当たりません。
「ない、忘れたかも」
「そっか、じゃあいいや、ありがと」
用事が済んだギャル姫が背を向けます。
つまりクシがないあなたを必要とはしていないという感動的な友情がここにあるのです。