使い捨て親友童話

そうです、少しあなたは嬉しかったのです。

なぜなら、あなたと茂木凜はクラスの六つあるグループに属していない二人組で、だいたい四番手ポジションでしたから、

麗しいギャル姫に話し掛けられたことは誇りだったのです。

ですから、今の会話事変は歴史的快挙なことでした。


それだけではありません、お姫様はあなたを名指しでした。

茂木凜よりもあなたの方がギャル姫に目を置かれている現状が秘かに嬉しかったのです。

茂木凜よりもあなたを選んだ。
そうです、この二ヶ月はずっとそうでした。

あなたの方がカワイイ女子に話しかけられる頻度が高かったのです。


大親友の茂木凜に対してライバル心がないといったらあなたは嘘つきですよ?

心を無に考えれば答えは一つ見えましたよね。

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