使い捨て親友童話
「っておい、寺岡! これ答え写しただけだろ、途中式書けや」
「えー、?」
ギャグ王子が教室に響く声で文句を言う雰囲気が学生らしくて、あなたはますます幸せでした。
なぜか彼を見るとドキドキして、他の人とは違った反応をする心臓が謎です。
けれども男子とあんまり話したことがないせいで、うまいこと絡めません。
それでもやっぱり幸せでした。
「寺岡使えね、自分で解くし!」
「なんでよー?」
あなたは知りません、実はギャグ王子もあなたを少し意識しているのです。
あなたを少し良いなと思っているのです。
淡い恋が動く前は微笑ましいですね。
小学生の頃は仲良くしていた男子は中学生になるとなんとなく苦手でしたが、ギャグ王子となら少し冗談も交わせるようになってきましたから、
あなたは気分を害したとばかりに舌を出し、ギャグ王子を睨んだ時です。