使い捨て親友童話
クラス替えの日、茂木凜に話しかけなければ良かったと本気で後悔しました。
羽賀未来に声をかければ毎日がキラキラしていたのにと、あなたは無性にもやもやしました。
「暑いよー」と、羽賀未来が言います。
茂木凜が言えば、『だから?』と苛々しますが羽賀未来相手なら不思議なことに、
「暑いよ、まじ異常。四季狂いすぎー」と、つまらない冗談も言えるあなたです。
好意を寄せる人にはテンション高く接したくなりますし、おもてなししたくなります。
波長が合う人とならなんだって楽しいのです。
女子中生の女友達はきっとこういったテンションが共有できてこそ国宝なのでしょう。
新しく知った楽しい時間はあっという間でした。
いつもは茂木凜から接待をされないあなたですが、羽賀未来は積極的にサービス精神のあるトークを提供してくれるため、
誰かから厚意を受けたのが久々のあなたは、大満足の憩いでした。