使い捨て親友童話

町娘の羽賀未来が去った後、あなたは教室で茂木凜と二人きりに戻ります。


「羽賀さん可愛いよね、後ろ姿さえストーカー並に可愛いよ」

「可愛いねー」

「…………うん。てか羽賀さんって冗談上手いよね。モギリンと似てないね」

「あはは、仁花ちゃん面白い!」

あなたの厭味にさえ気付かず笑う茂木凜でした。


それが日常なのです。
あなたの世界は平凡、地味、素朴、普通、平均的、自然ですから、

羽賀未来のようなキラキラ要素は所詮高望みなのです。


あなたには茂木凜が少し邪魔でした。

なぜってちっとも対等な関係ではないとあなたが思っているからです。
あなたばかりが気を遣わなきゃならない環境がイライラでした。


あらあら、あなたって本当マイルールが斬新でキュートですね。

あなたの常識はあなたの価値観で形成されているなんて、あなたはまだ若いので知りません。
フレッシュって可愛いですよね。

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