使い捨て親友童話

付き合うとかナシの友達とも呼べない意識しあった二人の微妙な距離感における可愛い乙女心は幼くて清潔です。

この中学生らしい無垢な淡さは、決して忘れない方が良いですよ。

いいえ、あなたが十年以上経って思い出してみると切なくて歯痒いもどかしい――幸せを教えてくれる貴重な記憶となるそうです。

卒業していくと、かつての可愛い娘たちはシビアな目で年収やら外見やらに執着する魔女になるそうですよ、切ないですね。

魔女たちはキスのありがたみや手を繋ぐ意味など、将来性がある男性を前にするとどうでもよくなるんですって。恐ろしいですね。


なんて擦れた大人の無駄話はほっておき、今のお話をしましょうか。

そうです、なんせいきなり当日好きな人に誘われたものですから、

あなたはオシャレのしようがありませんでした。

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