有明先生と瑞穂さん
瑞穂は家の冷蔵庫から持って来た缶のお茶を手渡し、適当な段差に腰を下ろす。
布津はお礼を言って受け取り瑞穂の隣に腰を降ろした。
「さんきゅ。喉がちょっとパサパサになってた」
「何か食べたの?」
「深江のクッキー。最近よく作ってくるよな」
「だんだんうまくなるよね。女の子らしくていいな」
たわいもない話。
やっぱり瑞穂がまだ好きだと布津は自覚する。
だからこそ、自分の深江への気持ちに戸惑う。
「どうしたの・・・?結ちゃんのこと?」
突然確信を突かれて思わず肩がビクリと跳ねた。
「よくわかったな」
「私を呼び出すなんて珍しいし・・・クッキーもらったって、さっき結ちゃんと会ってたってことでしょ?
だったらそのことかなーって」
「名探偵瑞穂」
「真実はいつもひとつ」
誇らしげに腕を組む瑞穂を見るとおかしくなって噴出した。
「お前、何か知ってるっぽかったからさ・・・。
教えてほしいんだ。
あいつのこと」
「・・・・・・」
瑞穂は無表情のまま前を向いた。
(コイツの無表情は不安になったりしないし、何を考えてるかも大体わかるのにな・・・)
深江と二人なら少しだけ感じていた息苦しさ。
瑞穂とならそれはない。
しかしそれは『好きだから』ではなく、長い付き合いが生み出したものだ。
布津はお礼を言って受け取り瑞穂の隣に腰を降ろした。
「さんきゅ。喉がちょっとパサパサになってた」
「何か食べたの?」
「深江のクッキー。最近よく作ってくるよな」
「だんだんうまくなるよね。女の子らしくていいな」
たわいもない話。
やっぱり瑞穂がまだ好きだと布津は自覚する。
だからこそ、自分の深江への気持ちに戸惑う。
「どうしたの・・・?結ちゃんのこと?」
突然確信を突かれて思わず肩がビクリと跳ねた。
「よくわかったな」
「私を呼び出すなんて珍しいし・・・クッキーもらったって、さっき結ちゃんと会ってたってことでしょ?
だったらそのことかなーって」
「名探偵瑞穂」
「真実はいつもひとつ」
誇らしげに腕を組む瑞穂を見るとおかしくなって噴出した。
「お前、何か知ってるっぽかったからさ・・・。
教えてほしいんだ。
あいつのこと」
「・・・・・・」
瑞穂は無表情のまま前を向いた。
(コイツの無表情は不安になったりしないし、何を考えてるかも大体わかるのにな・・・)
深江と二人なら少しだけ感じていた息苦しさ。
瑞穂とならそれはない。
しかしそれは『好きだから』ではなく、長い付き合いが生み出したものだ。