有明先生と瑞穂さん
「国見さんってあの・・・」

「丁度今から有明んち行くとこだったのよ~。
ホラホラ二人共立って立って!」


握手をした手をそのまま引っ張られ立ち上がらされた布津はうろたえながら瑞穂に聞いた。


「おい瑞穂この人」

「ヒーーごめんなさいごめんなさい」

「オイもうそれいいって!」


その様子を国見はケラケラ笑いながら瑞穂も引っ張って立ち上がらせた。


(つかこの人見た目と性格ギャップありすぎ!)


国見はそのまま布津の腕を組み、もう片手で瑞穂の手を引きながらマンションの中に入っていく。


「え、どこに行くんスか?!」

「やー、夜はだいぶ涼しくなってきたと思わない?
アタシ上着持ってくればよかった」

(話聞いてねー!!)


大人の女性にガッチリ腕を組まれ、それだけでも赤面ものなのだが布津は組まれた二の腕に全神経が集中していた。


(むっ、胸!胸!めっちゃ胸当たってるー!!)


瑞穂に助けを求めるが、本人は国見に手を引かれ、されるがままで頭を抱えていた。



・・・大体行く場所の予想はつく。


(まっ、まさかまさか)



3階までエレベーターで昇ると迷わずにひとつのドアの前に立ち、元気にインターホンを鳴らした。



「やほーぅ!遅くなってゴメーン!」


中からドアが開かれる。



(え、え、え、え・・・?!)
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