有明先生と瑞穂さん
「おーリサ!遅かったなー!」


(・・・って、え?)



中から出てきたのは加津佐。



目を点にしていると加津佐は国見の隣の布津を見て声を上げた。


「わーーーッ!!リサが浮気してるーーー!!
リサが浮気相手連れてきたあー!!」

その反応に国見が「キャッハッハッハ」と声を上げて笑った。


すると奥から「オイ!」という声が聞こえてもう一人出てくる。


「ドア開けたままで何とんでもないこと叫んでるんだ!
人の近所付き合いも考えろ!


・・・・・・って、え?

ふ、布津君・・・?」



「・・・・・・ども」



有明だ。



お互い微妙な表情で固まる。


(やっぱここ有明んちじゃねーか!)


有明は布津を見たあとに国見の後ろにうなだれて立つ瑞穂に気づく。

それを見て国見は得意げに声を上げた。


「有明!瑞穂チャンの浮気現場と浮気相手確保しましたー!
褒めて褒めて!」

「ち、ちが・・・!違います違います!」

「ほら見てこのうろたえ方!怪しいでしょ」


この異様な光景に布津はオロオロと皆の顔を交互に見回した。



「み、瑞穂さん・・・。
確かに俺『布津君の家に一人で行くのはイヤだ』って言ったけど・・・

だからって連れてこなくても・・・・・・」


「ええっ?!そ、それも違いますー!」


有明と瑞穂が騒ぐ隣で国見と加津佐もギャーギャーと騒いでいた。


「リサ!いい加減布津の腕離せ!
男子高校生はなぁ!
そういうことされっと全神経がその腕に集中してんだぞ!
今お前のおっぱいの感触堪能しまくりなんだぞ?!」


――ゲッ、バレてた。


「えー?!そうなの?!
ヤダ、なんかカワイイー!!」

「うおっ・・・ちょっ、だ、ダメです、そんなッ・・・」


国見はそれを聞いてわざと布津に密着する。
顔を真っ赤にして慌てる布津を見ていいオモチャを見つけたように国見は輝かしい笑顔を向けた。



「・・・・・・とりあえず、上がれば?」



有明は早速疲れきったため息をついて一人先に奥の部屋へ入っていった。
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