有明先生と瑞穂さん
「俺と瑞穂が今日二人で会ってたってのも・・・普通、イヤだろ・・・」

「まあいい気はしないけどね」


有明は笑いながら言う。
全然おかしいところじゃないのに。


「でも二人は元々幼馴染だし、仲がいいから」

「そ、そうだけど・・・」


「別にいいんじゃないのー?」


有明の言いたいことがイマイチわからずにいると左肩から声がして、国見がだるそうに頭を持ち上げた。


「起きてたのか」

「んー・・・なんか寝づらくって、声で目が覚めちゃった」


勝手に人の肩で寝ておいてなんて言い草だ。



「国見さん、他人事だと思って適当な・・・」

瑞穂が苦笑しながら言う。


「そうじゃないわよー。
別にやましいことがあるわけじゃないのなら、有明のことまで気にしなくていいんじゃない?ってコト」

「それはそれでヤだな」


国見の言葉にまた有明が笑いながら言った。



「真面目な話、どこからどこまでが浮気でどこまで許すかなんて人それぞれだし、そもそも浮気なんてやっちゃいけないけどさ。

浮気なんて言葉はラインが曖昧なのよ」


こんな真面目な話もできるのかと布津は内心関心する。

国見は欠伸をしながら続けた。


「メールするだけで浮気と言う人もいればセックスしたって浮気じゃないって人もいるわ」

「セッ・・・!」


瑞穂と布津は顔を真っ赤にして固まる。


「言葉をもっと濁せ」


二人は視線をそらしながら(大人だ・・・!)と関心する。


「本当にそんな人・・・」

「そういう人がいるのは事実だね」

「マジかよ」


国見は「世の中いろんな考えの人がいるのよ」と笑った。



「やっちゃいけないのは『相手が嫌がること』よ。
小さい頃に皆が親から言われてきたことだわ」


「ははっ、説教っぽいな」

「自分でもそう思った」


国見と有明が笑うが、布津は国見の言葉に聞き入った。
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