有明先生と瑞穂さん
「有馬さんって口之津先生と付き合ってるんでしょ~?口之津先生のことが好きなんでしょ~?
それなのにまだ有明先生のこと追っかけてんの?
それって二股じゃな~い?」


そうだ。
有馬の『有明先生好き』は深江やその他女子の『ファン的な好き』とは違い本気だと言っていたはず。
今もそうならそれは二股だ。


「何言ってんのよ!!」

有馬は拳を握って声を上げる。


「口之津と有明先生を同じにしないで!」


「は・・・・・・え、え~・・・?」

みんなのしらけた反応にも構わずに有馬はテーブルの焼き鳥を手に取り力説する。


「わかる?!例えば瑞穂!アンタの『彼氏が好き』ってのとこの『焼き鳥が好き』ってのは違うでしょ?!つまりそういうことよ!」

「ええーー・・・」

つまり口之津先生は焼き鳥か。


静まり返る中布津がぼそりと

「口之津も人間なんじゃ・・・」

と言いかけたが、机の下から瑞穂がバシッと叩いて静止した。


(言っても無駄だっつーの!)



口之津を不憫に思いながらも、まあ恋愛感情であることに変わりはないんだろうからいいか・・・とそれぞれ納得する3人だった。





しばらく楽しく食べて騒いでいた4人だったが、さすがに場所に少し飽きてくる。


「瑞穂、門限何時まで伸ばしてもらった?」

「うーん、一時間だけ」

「12時かあ」


時計を見ると10時半。今から別のところに出かけるのも微妙だ。


「そうだー!瑞穂んち行こうよ!
それなら12時過ぎても大丈夫でしょ?!」

「えっ!!」


驚く瑞穂をよそに有馬と深江は「行ってみたい!」と目を輝かせる。


「布津は行ったことあるんでしょー?うちらも連れてってよ!」

「えー・・・うー・・・でもほら、うちマンションだし・・・うるさくできないしさー」

「大人しくするー!」

「ええっ・・・で、でも・・・」

「おい、どうするんだよ瑞穂」

「うう・・・・・・」
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