有明先生と瑞穂さん
(有明先生・・・にバッタリ会うなんてことはないよね・・・)

一番の心配はそれだ。

親は次の日仕事だが、それよりも滅多に友達を連れてこない瑞穂を見れば大歓迎するだろう。


それに正直、自分もちょっと嬉しい。


「晴ちゃんの部屋見てみたーい!」

「ええー・・・何にもないよー」

「ねえ布津、瑞穂の部屋ってどんな感じ?」

「え、俺もあんまり行かないし部屋なんて小学校以来行ってないからなー」


そう聞かれると布津もだんだん瑞穂の部屋に行きたくなってくる。

「うん・・・まあ・・・宅飲みってのも楽しいかも・・・」

(布津ーー?!アンタ助けてくれるんじゃないの?!)


驚いて布津の顔を見ると何やら遠い目をしてニヤニヤしている。キモい。



「私の部屋狭いし!何もないよ!
そうだ私結ちゃんとか有馬さんちも行ってみたいなー!」

「ウチの家には来たじゃん」

「結のウチ遠いよ。
ていうか、晴ちゃんの門限が12時だから家に行こうって話なのに」

「あっ、そうだった・・・」


どうしようどうしよう。


ひたすら断る理由を考えていたが、


「よし、じゃあ決定ね!」


と有馬の声で皆が立ち上がった。


(ウワー!勝手に話進んでる!)


瑞穂が「あっ」とか「いやっ」とか言いながら戸惑っていると

「大丈夫ー!行ってみて無理だったらすぐ帰るから~」

といい笑顔で深江が言った。


「ううう・・・そ、それなら・・・」



結局押されるがままにOKしてしまった。
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